噛むことの大切さ
からだコラム「健’sNOTE」の記事をリライトしたものです。
噛む
食べ物を食べる時、どのくらい噛んでいますか?
意外と噛まずに飲みこんではいませんか?
子供の頃から、親や学校の先生などに何度も言われたことでしょう。
「もっと良く噛んで食べなさい!」「食べる時は30回噛みましょう!」と。
しかし、言われたときにはやってみるものの、1.2.3・・・モグモグ・・・面倒臭い・・・
結局気がつけばいつもと同じように「モグモグゴックン」。
まぁそれでも特に健康に支障は感じないし、おいしいから良いや・・・と結局そのまま現在に至るのは、私だけではないはず・・・。
そんな私も最近ちょっとお腹回りが気になるお年頃、ダイエットなどを考え始めました。
世間にあふれている様々なダイエットの多くは、ただ体重を落とす(数字を減らす)事が目的になっています。
短期に何キロ痩せた!とキャッチーな謳い文句ばかりが目に付きますが、それがいつまで続いたのか?あるいは健康的な体になったのか?というところまでは追いかけてくれません。
地味で代わり映えがせず、キャッチーでもありませんが、一番確実なダイエットは運動と食事の管理です。
数年前までスポーツクラブで週4日トレーニングをしていた頃は運動量を増やし、筋肉を大きくして基礎代謝をあげながら有酸素運動で脂肪を燃やすと言う方法で体重をコントロールしていました。
食事を少し制限して運動量を増やす、言ってみれば簡単なことなのですがスポーツクラブも辞めてしまったし、30代になると動くのが少々おっくうになってくる・・・。
稼ぎを少なくし貯金をドンドン使うのは自然に出来るのになぁ・・・トホホ
そんなこんなで考えているだけの数ヶ月が過ぎました・・・
そして1ヶ月程前、何の気はなしに食事中に考え事をしてしまい、結果としてずっと噛んでいると言う時がありました。
「あれ?ずいぶん噛んでるなぁ、でもなんか噛み潰してる感覚が面白いぞ・・・モグモグ」
「よし、今日はついでだからゲーム感覚で食べてみよう」と食べ物の形が無くなるまで噛んでみることに。
感覚としては“プチプチ(エアパッキン)”をつぶすのと同じような感覚。
「お、まだ残ってたかモグモグ・・・」
こうやって遊び感覚で続けられることが実は重要だ。
「30回噛みなさい」と言われたところで、30回噛むことよりも30回アゴを動かす事に意識が行ってしまい、結果としてあまり噛めていないということになってしまします。
結局義務感を感じるような方法は長続きしないのです。
回数はどうでも良く、食べ物の形を感じなくなるまで噛むようにすればいいのです。
そうすることで結果的に30回以上はアゴを動かしているのです。
しかしなんでもやってみるもので、いろんな発見ができました。
たくさん噛むと唾液(つば)がたくさん出る。(唾液による殺菌作用)
食べ物の味もジワ〜ッとたくさん染み出る。(美味しいモノとそうでないものがはっきりする)
食べ終わるまでの時間が、普段の3倍かかる。(だから食べ過ぎない)
普段の半分の量でお腹がいっぱいになる。(経済的!)
いつもはつい食べ過ぎてしまい昼食の後はお腹がパンパン、でも良く噛むとお腹が張るまで入らないから午後も体が楽チン!
体が楽チンなのでしばらく続けることにしてみました。
そう言えば操体の創設者橋本敬三先生もその著書の中で「食べ物がドロドロになるまで噛んで食べなさい」と言っていました。
良く噛むことで一回の食事の量が減った。
朝7時に朝食を摂ると10時くらいに小腹が空く、お茶の時間。
12時に昼食を摂る、15時頃に小腹が空く、おやつの時間。
なるほど、保育園や幼稚園のリズムと同じです。
実に規則正しくお腹が空く。
そんな良く噛む食事を続けること一ヶ月、食事の量が自然と減り体重が自然に落ち、ベルトの穴が一つ半くらい縮まりました。
もちろん我慢や摂生というダイエットにはつき物の思いもせず、いつもお腹いっぱいまで食べ、食品も気にして選んだりということもしていません。
そして良く噛むことで内臓への負担も軽くなり、おなかの調子もすこぶる良い。
この噛むと言う行為は実に良いことだらけです。
内臓だけでなく脳への適度な刺激にもなるし、歯の大切さも実感できます。
良く噛むことのマイナス点を見つけるほうが難しい。
強いて言えばアゴが疲れると言うことくらいでしょうか?
しかし疲れるのはアゴの筋力が不足していただけの話なので、しばらくしたら疲れは一切感じません。
必要なだけの筋肉が自然についてくるのです。
様々なダイエットを試す前に、一番単純で簡単な“噛む” ということをまずは行ってみませんか?
食べ物の栄養を無駄なく吸収するために、“良く噛む”のはとっても重要なことなので、ダイエットに限らず、体作りをしている人にもお勧めです。
試してみようと思った方へのアドバイス。
☆ お腹が空きすぎないようにする。
→噛むのがまどろっこしくて飲み込んでしまうから。
☆ 噛んでいる間は食べ物から目線をはずす。
→次へ次へと気持がいってしまうから。
☆ 一口を少な目にする。
→めいっぱい頬張ると口が動かない。