ラジオ体操の間違い!

からだコラム「健’sNOTE」の記事をリライトしたものです。
10年以上前に書いたものですので、未熟感満載でお恥ずかしい限りですが、参考にされている方もいるようですので、あえて当時のまま残しておきます。
現在の思いは「まとめ」として新たに書こうと思います。

そのやり方では体が壊れる!

健康の為に何かしようと思ったとき、一番身近でお金もかからないものと言えば「ラジオ体操」ではないでしょうか。
健康のためにと思ってはじめるラジオ体操ですが、そのやり方をしていては体を壊してしまうのです。

ラジオ体操が辛いと感じた経験はありませんか?
体操、鍛錬だから辛いくらいがちょうど良いんじゃないの?と思われるかも知れません。
確かに鍛錬や体操は少し辛いくらいがちょうど良いのですが、その辛さも理にかなった辛さ理不尽な辛さがあるのです。

日本一浸透している体操

日本人であれば、誰もが一度は経験していると思われる体操。
知らない人はおそらく一人もいないのではないでしょうか?
ラジオ体操の問題点を指摘する前に、まずはラジオ体操ってなに?という話から致しましょう。

ラジオ体操の歴史

ラジオ体操が出来たのは昭和3年。
当時の逓信省(現在の日本郵政公社)簡易保険局が、国民の体力向上と健康の保持・増進に寄与するために制定しました。

翌年の2月より全国放送が開始され、徐々に全国に広がっていきました。

参考にこちらもどうぞ→ラジオ体操の歴史ーかんぽ生命

ラジオ体操の問題点

さて健康の為に制定され全国に浸透しているラジオ体操ですが、実は重大な欠陥があるのです。
その欠陥とは動きの法則を無視していると言うことです。

体とは何気なく動かせば良いというモノではなく、無理なく動くためにはある動きの法則が存在しています。
その法則に則って動くことによって、体に無理が掛からず、楽に動くことができるのです。

その法則とは「重心安定の法則」「重心移動の法則」です。

この法則から外れて動いていると体に無理が掛かり、歪みを引き起こします。
その結果、怪我や腰痛などの不快な症状が起こるのです。

この法則を理解していないラジオ体操を毎日続けていくことは逆に健康から遠ざかる行為であると言えるでしょう。

正しい法則を理解してラジオ体操の問題点を改善してみましょう。

1,重心の位置と立ち方。

ラジオ体操では特に立ち方は指導していませんし、重心についても述べられていません。
一番の基本である「立つ」というところが抜けています。

 ☆まずは立ち方を変えてみましょう。

キヲツケ

★左の写真はラジオ体操の立ち方です。
・背筋を伸ばす
・腕は体側にピタッと伸ばす。
・膝を伸ばしカカトを揃える。
・つま先は45度に開く。

体がピンと伸び、固い印象を受けませんか?

基本姿勢
脚の内側が平行に

★次に無理のない動きやすい立ち方を行ってみましょう。
この姿勢がラジオ体操中の基本姿勢となります。 

・足は腰幅に開く。(肩幅ではありません)
・脚の内側を平行にする。
・足首、膝、股関節の力を緩め、軽く曲げる。
・軽く胸を広げ肩の力をぬく。

上記のように立ってみると重心の位置が両足の親指側、土踏まずの前方くらいに乗ってきます。
実際に体操を行う時も重心がここから外れないように意識してください。

窮屈な姿勢
基本姿勢

☆二つの姿勢を比べてみましょう。 左の写真は背中をピンと伸ばした姿勢。
右の写真は膝をゆるめ、重心を安定させた姿勢。
どちらが動きやすそうですか?

2,手の小指を意識する。

体操を行う際、腕を何となく使うのではなく、小指側を意識しましょう。
意識しやすいように両手の小指を軽く伸ばして行うといいでしょう。

さあ主に以上の2点を意識しながらラジオ体操を行ってみましょう!

比べてみよう

こちらの「かんぽのホームページ」に正しいラジオ体操のやり方が載っているので、それを参考にしながら解説していきます。

のび
伸び

1,背伸びをする
「腕を前から上にあげてのびのびと背伸びの運動〜♪」
小指側を意識して目線を指先に向けてみましょう。
何となく腕を上に伸ばした場合(写真左)と小指側を意識して上に伸ばした場合(写真右)では体の伸びやかさが違ってきます。


脚を曲げる
腕を振って脚を伸ばす

2,腕を振って脚の曲げ伸ばし
「手足の運動〜♪」
ラジオ体操で一番ポピュラーな運動がこれでしょう。
ガニ股で少々コミカルな動きですが基本姿勢から行うとガニ股にはならず、軽い膝の屈伸運動となります。
腕の動きは小指を意識してください。


腕回し

3,腕を回します。 
「腕を回しま〜す♪」
腕が肩から上に上がる時に目線を上方へ向けると全身が気持ち良く連動します。


胸を反らす
膝を出して胸を反らす

4,胸を反らします。 
「胸の運動〜♪」
胸を反らす時に膝を少し前に出すようにし、目線を上方へ向けます。
左の写真は普通のラジオ体操の動きです。
胸を反らしているのですが、腰から下は動いていません。
右の写真のように膝をゆるめ、前方へ出しながら胸を反らすと無理のない全身の動きとなります。


間違った側屈
正しい側屈

5,体を横に曲げる 
「体を横に曲げる運動〜♪」
この動きがラジオ体操の中で問題のある動きの代表です。
左の写真がラジオ体操で普通に行われている曲げ方。
左に曲げる時に左足、あるいは両足の真ん中に重心が来てしまうと腰や脇腹への負担が強くなってしまいます。
体を左に曲げる時は右の写真のように重心は右足へ移しお尻を右に移動しながら曲げていくと体に無理が掛からず、バランス良く曲げられるのです。
また動く時には常に膝を軽く曲げることも忘れずに。


間違った前屈
正しい前屈
間違った後屈
正しい後屈

6,体を前後に曲げる 
「前下に曲げましょ〜う♪」
これも問題のある動きの代表です。
左の写真はラジオ体操で普通に行われている曲げ方です。
体を前に曲げる時膝が伸び、体重はつま先に移ってしまいます。
体を前に曲げる時には膝をピンと伸ばす必要はありません。
今までの体操のやり方では体が前のめりになってしまう為に倒れないように膝が伸びてしまうのです。 
右の写真のように体を前に曲げる時にはお尻を後に引くようにし、膝も曲げて行います。
このように曲げると体に無理が掛からず、バランス良く曲げられるのです。
次に体を後に曲げる時は胸を反らす運動と同じように膝を前方へ出すようにしましょう。


間違った捻り
体を捻る

7,体を捻る 
「腕を振って体を捻る運動〜♪」
上半身を捻るという動きは体に無理が掛かります。
腰を止めその場で後を向くのではなく、体を向ける方の脚に重心を移し、振り返るようにします。
左に捻る時は左足、右に捻る時は右足です。
また、手の指先に目線を置くと重心が移動しやすくなります。


のび

8,腕を上下に伸ばす
「脚を戻して手足の運動〜♪」
腕は小指側を意識しましょう。


9,体を斜め下に曲げる 
「足を横に出して斜め下に〜♪」
この動き非常に不可解です。
体を痛めることはあっても健康になることは無い動きなのですがどうしてもというのなら、ラジオ体操で行うようなやり方ではなく(左の写真)、右の写真のように曲げる方と反対の脚に重心を乗せ、上体は軽く倒すくらいに留めることが無難でしょう。
起きあがり胸を開く時には小指を意識し、目線を上方へもっていくと良いでしょう。


体を回す
体を回す

10,体を回す 
「腕を振って体を回す運動〜♪」
左の写真のように腰を止めて上半身を回すのではなく、腰を回すようなイメージで回しましょう。
頭とお尻は常に反対に行くように動きましょう。
また脚幅を広くし過ぎると重心の移動が妨げられるので腰幅あるいはもう少し広いくらいに開きましょう。


11,両足で跳ぶ  
「脚を閉じて両足飛び〜♪」
手を開く時は小指側を意識します。
ジャンプも両足の親指側に重心を感じながら行いましょう。


12,腕を振って脚の曲げ伸ばし 
「手足の運動〜♪」

2番と同じです。


13,深呼吸
「のびのびと深呼吸〜♪」

体操のあとなので吸う動作から入りますが、本来の深呼吸は吐くことから始まります。
腕の小指側を意識して、腕が肩から上に上がる時には目線を上方へ向けましょう。

※参照→深呼吸


ここまでがラジオ体操第一です。
今までやっていた方法と、ここで書かれた方法をやり比べた感想はいかがでしょう?
私自身の体を通した感想は「終わった後にどこかが部分的に突っ張ったり、緊張したりすることも無く、非常に心地よい爽快感を感じることが出来た。」ということです。

感じ方はそれぞれ違うと思いますが、体を壊さない為にはここで紹介した事を意識しながら行うことが必要です。

健康の為に行う体操で体を壊してしまっては本末転倒です。
正しい体の動きを知り、実践することで健康な体を手に入れましょう。

こちらも合わせてお楽しみ下さい。ラジオ体操の間違い!2



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