歪の先送り

からだコラム「健’sNOTE」の記事をリライトしたものです。

腹筋鍛えたら解決?

腰痛になって病院や治療院等に行った時、「腹筋が弱いから腰痛になってるんですよ、だから腹筋を鍛えましょう」と言われた経験はありませんか?

体の前後を支える大きな筋肉である腹筋と背筋。
片方が弱いからもう片方を鍛えてバランスをとろうという発想でしょう。

しかし、それでは根本的な解決にはなっていないばかりはでなく、新たな歪みを作り出す原因にもなってしまいます。
何故なら、筋肉のバランスは前後左右というような単純なものではないからです。
また、すでに腰が痛い方に腹筋運動を勧めるのは酷な気がします。

一概に腰痛と言っても歪み方は人それぞれ違います。
たまたま痛みが腰に出ているから「腰痛」というのです。膝に出てれば「膝痛」ですね?
背筋のどの部分が弱いのか?そしてそれを補うのは腹筋のどの部分なのか?またその筋肉はどの筋肉まで影響されているのか?鍛える強さはどのくらいなのか?等々。
細かい分析を行った上でなら、有効なのかもしれませんが、そこまで厳密に考えずに「腹筋を鍛えましょう」では新たな歪みの元を作り出してしまうだけです。また筋肉でカバーしようという考えは根本的な解決ではなく「歪みの先送り」でしかないのです。

幸運にも若く体力もあり筋肉を鍛えることにより症状の改善が見られたとしても、それは例えるなら柱の歪んだ建物を倒れないようにコンクリートで固めていることと同じです。
コンクリートが劣化してくれば柱の歪みの影響受け、その間の歪みを支えるために劣化した他の部分にも影響し、最後には倒れてしまうことでしょう。
体も同じように、筋肉のあるうちはいいかもしれませんが、トレーニングを止めたり、出来なくなったときにはまた同じ症状が現れて来ることでしょう。
そしてその時に現れる症状は以前のそれよりも確実に悪い方へ進んだ形で現れるはずです。
何故ならばそもそもの歪みはそのままなのですから。

プロが正しいとは限らない

プロスポーツの世界等では筋肉で固めるという対処も場合によってはあるでしょう。
しかしそれはその競技をするための体を求めているのであって、健康を求めているわけではないので仕方がないことでしょう。
もちろん動きの面で改善されるのがベストだと思いますが、プロスポーツ選手の場合、限界をいかに超え記録を出すかが勝負の世界なのでそれだけでは補えないような物理的な怪我等はつきものです。

一般の方が健康な生活を求めてくるのに対してSOTAI(操体)では、施術を行うと同時に動きの改善を指導し、また一人操体等で自分の体の整え方を覚え、そして歪んでいたためについてしまった偏った筋肉に対しては、個々の筋肉を鍛えることではなく、歩くことに代表されるような、全身の強調を伴った自然な動きの中での鍛錬を勧めるようにしていきます。
整ったバランスの中で動くことそのものが、それぞれの筋肉に適度な負荷となりバランスの良い筋肉をつくり、その筋肉と改善された動きが整った体を維持してくれるのです。

それを行わずに筋肉トレーニングのみでカバーしようというのは、一時しのぎであり、痛み・歪みを先送りにしているにすぎません。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください