前屈と開脚
体の柔らかさの代名詞と言えば前屈と開脚でしょうか?
「カラダが柔らかい事=(イコール)健康」と思われているのか、世の中には完全開脚を目指すため、手のひらを床につけるため、様々なストレッチや体操などが考案、実践されています。
カラダを柔らかくするために毎日ストレッチや○○体操などで頑張っている方はいませんか?
せっかく健康のためと頑張っている体操やストレッチも、頑張り方を間違えると実はカラダを痛めてしまう原因にもなってしまうのです。
カラダが曲がらない原因としてよく言われるのは腿の後ろやふくらはぎの収縮です。
簡単に言えば筋肉が縮んでいるので伸びないと言うことですね。
その縮んだ筋肉を効果的に伸ばすことがストレッチや体操の目的となります。
しかし、本当にそれでいいのでしょうか?
カラダが曲がらないのには曲がらない理由があるとは思いませんか?
なぜその筋肉が縮んでいるのか?
それは今その筋肉に力が入っていないと、カラダを支えることが出来ない状態だからです。
支えられないから力を入れている筋肉を、無理にゆるめたり伸ばしてしまったらどうなるでしょう?
一時的に伸ばされた筋肉は更に縮むことでカラダを守ろうとしたり、違うところに力を入れて支えようとしてしまいます。
場合によってはケガ等に繋がることもあるでしょう。
カラダの柔軟性を考えるとき、単純に緩めるのではなく、バランスを回復しながら結果として緩むようにしていくことが大切です。
ですから操体ではカラダを無理にコントロールしようとは考えません。
カラダにどうすれば良いのか聞きながら、素直にゆだね、気持ち良さを味わってもらうようにしていきます。
そうすることで、それ以上力をいれている必要が無いカラダに戻ってもらうのです。
そうすれば無理に伸ばしたり動かしたりしなくても、カラダは本来の可動域を取り戻します。
カラダが柔らかいこと、前屈や開脚が出来ることが=(イコール)健康とは限りません。
カラダの歪みがあるから曲がらない、開かないのですから、そこを改善することが先決です。
曲がること、開くことを目的にしてしまっては、曲がる・開くという歪みを新しく作るのと同じ事です。
それではただ「曲がった・開いた」だけのカラダになってしまい健康にはなりません。
あなたの周りにいませんか?
開脚もできるし前屈もできる。
でも腰痛持ちだったり肩こりで悩んでいる方。
大事な事は曲がること、開くことではなく体の状態が整った結果として曲がり・開くようになることなのです。
頑張ったり無理をしたりしなくても、自然に開脚や前屈が出来ている体は、骨格の修まりが良いものです。
ストレッチや体操に疑問を持った方、いちど操体を試してみてはいかがでしょう。