触れ方と持ち方
何気なく写された操者の写真。
それを見ただけで、その方の操法や力量が見えてしまうものです。
先日書店で見た操体の本でも (; ̄ー ̄)…ン? と感じる写真がありました。
※批判する事が目的ではないので、どの本とはいいません。
私たち操者の手はご本人(操体を受ける人)の微妙な反応を感じ取り対話をする為のとても重要な役目をもっています。
その触れ方や持ち方一つで操法を台無しにしてしまう事もあるのです。
体は体と対話します。
こちらの触れ方ひとつで、触れられた体は無意識に強ばったり緩んだりするものです。
初対面の人に「おい!」と声をかけられると「なんだ!」と反射的に身構えてしまうのと同じです。
反対に優しく「こんにちは」と声をかけられれば「こんにちは」と笑顔の一つもつけて自然に挨拶をしてくれます。
体だって同じなのです。
ギュッと強く触れられると無意識に体は強ばってしまいます。
体を壊すのが私たちの役目ではありません。
そっと、フワッと触れただけで気持ち良さを感じ、緩んでしまう。
操者の触れ方とはそうあるべきなのです。
そして触れ方と共に重要なのが持ち方です。
とても基本的なことなのですが、ガシッと握り込んではいけません。
握ってしまうことにより操者の体は固まってしまいます。
固まってしまうとご本人(操体を受けている人)の自由な動きに対応する事が出来ません。
試しに誰かの手首をガシッと掴んでみてください。
そのまま捕まれた腕を動かしてもらいましょう。
次にフワッと手が放れない程度の強さで掴んでみます。
この状態で先程と同じように動かしてもらいます。
違いがわかりますか?
ガシッと掴んでしまうと、掴んだ腕と一緒に体も振り回されてしまいますが、フワッと握っていれば体は動かずに手だけが動いているのがわかると思います。
これが操法ならどうなるか?
ガシッと握ってしまった場合、自由な動きに着いていく事が出来ないので自分の動き、もしくは相手の動きを制限してしまう事になります。
それでは気持ちの良い操法は出来ません。
これは操体だけに限った話ではありません。
例えば太鼓やドラムを演奏する時にバチやスティックを握り込んでる人はいません。(素人以外は)
先程の例えと同じように軽く握り腕に振り回されることなく体幹部の動きを手先に伝えています。
剣道の竹刀、バドミントンのラケットなどどれも同じことです。
軽くフワッと、触れただけですでに気持が良い。
プロの操者ならそうであって欲しいものです。