ある操体法の動画を見て

コロナ自粛の中、You Tubeを見る機会がグッと増えました。
最近は操体法関連動画がオススメにやたらと出てきます。
一つ二つ見た動画の影響なのでしょう。

そんな中、ある接骨院の先生の動画が目に止まりました。

ご自身の施術に操体法を取りいれているようです。
しかも操体法の創始者である橋本敬三先生の勉強会で学んでいたという先生。
その施術に関してはここでどうこう言うつもりはありません。(もう大人なので)
しかし、生活動作を見直すという動画に関しては一言。(いや二言三言)

簡単に言うと、楽に動くのではなく、筋肉を使わなくてはいけません!という内容でした。
椅子から立ち上がるとき、物を持ち上げるとき、しっかりと大腿四頭筋(ふとももの前側)を使う。
楽に動いてはいけません。
常に筋肉を使っていないと、やがて体を支えられなくなってしまいますよ。
・・・と簡単にまとめるとこんな感じでしょうか。

そういう考え方で指導をされるのも否定はしませんが、「操体法」と看板を掲げていてその内容では困ります。

ただし動画の中では「操体法では」と言う表現はしていません。
ですから操体法の哲理とは関係なく、あくまでもその先生が考える動き方や立ち方ということなのだと思います。
しかし、そこまでの動画の流れを考えると、「操体法ではそうなのか」と誤解するのが自然です。

◇ 動きはバランス

操体法の中には「重心安定、移動の法則」というものがあります。
簡単に言うと、体は重心を安定させ、その重さ(重心)を移動させることで動くというものです。

その法則をもとに動き方の基本として橋本敬三先生がまとめたのが「般若身経」と呼ばれるものです。

操体ではその法則をもとに動きを考えます。
決して筋肉を鍛えましょう!という発想にはなりません。

普段の動きで筋肉を使わないと体を支えられなくなるということはありません。
安定した姿勢で立てていれば、必要な筋肉には適度な刺激が与えられているものです。

最初の一歩の「安定した姿勢で立つ」というところが抜け落ちているので、筋肉で支えなければ身体は立っていられないという発想になってしまうのでしょう。

筋肉を鍛えることも否定はしません。
しかしその前に整った体と安定した姿勢というものがなければただ辛いだけです。

時には頑張ることも必要ですが、常に頑張っていてはしんどいだけです。
無駄に力まず、楽ちんに立ち、楽ちんに動く。
それができるのだから、その方が良いとは思いませんか?

張っている状態(頑張っている)は長続きしません。
緩めるとき、張るとき、両方あっていいけれど、日常は緩めているのが自然です。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください