立って行う操体
バランスのとれたカラダは立っているのが楽なものです。
「どこかに寄りかかっている」「何かにつかまっている」「脚を交差させている」無意識におこなっているそれらの姿勢、それはバランスがとれなくなっている体の声です。
そんなとき、気軽にできる立位での操法をご紹介します。
まずは楽な姿勢から/スタートポジション
どの操法も無理な姿勢や頑張った姿勢で行っては意味がありません。
素直であるがままのカラダからスタートします。
足は自然な幅に、首から足首までなるべく余分な力は抜いておきます。
膝を軽くゆるめ、目線は正面に向けて立ちます。
この姿勢から操法を行いましょう。
前屈
みなさんよく御存知の身体を前に倒す動き。
ラジオ体操やスポーツの準備体操でも良く行われている、とてもポピュラーな動きです。
この誰もが普通に行っている簡単な動き、身体の流れにゆだねて感覚を味わうと立派にカラダを整える操法となるのです。
やり方
自然な足幅で立ちます。膝は軽く緩め、肩や首の力を抜いて視線は前方へ。
首や肩の力を抜いて、頭を前方へ傾けます。
カラダの力はなるべくゆるめ、おでこから吊り下がっている重りをイメージして、重さにゆだねてゆっくりと体を倒していきます。
ゆっくりと無理のないところまで倒していきます。
そのまま体の流れにゆだね、じっくりと味わいます。
十分に味わったら、膝の力をスッと緩め、前方へ出してあげると自然に体は起きていきます。
ここに気をつけて
- たくさん曲げることが目的ではありません。
- ストレッチ感(伸ばされている感じ)がないように行いましょう。
- 膝は必ず緩めましょう。
- 左右に捻れたり、左右に揺れたり、自然な体の流れを表現して味わってみましょう。
振り向き
やり方
自然な足幅で膝をゆるめて立ちます。
体をゆったりと左右に振ります。
後ろを振り向く感じで、体重を右、左と移しながらブラ〜ン、ユラ〜ンと振ってみます。
体をねじるのではなく、何気なく振り向く感じです。
振りやすい方に意識を置き、振り向きにくい方、違和感のある方は違和感のない範囲まで。
振りやすい方が変わっても要領は同じ。無理なく左右にブラ〜ンとしてみましょう。
体が落ちつき、左右差が小さくなってきたら静かに止まります。
膝を伸ばしたままだと体重移動が上手くいかず、上半身をねじるような動きになってしまうので注意しましょう。
振り向く方の足に体重を乗せます。
体重を移動せずに上半身だけを捻る動きとは違います。
- 勢いをつけすぎずにゆったりと行いましょう。
- 振り向く側の足にしっかりと体重が乗るようにします。
- 振り向く側と反対の脚は力を抜き、自然にカカトが浮くようにします。
まとめ
前屈も振り向き、どちらも一日に何度やっても構いません。
回数はやりたいだけが正解です。
「左右均等にやらねばならない」「やればやるほど効果がある」「痛いくらいやらないと効果がない」といった考え方はやめましょう。
やりたいなと感じていない時は、その動きを要求していない体の声です。
自分の体と上手に対話してみましょう。